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リズミカルな太鼓の音に合わせ、荒々しく鬼が舞う佐渡の鬼太鼓。厄をはらい、五穀豊穣を願う郷土芸能は今も120ほどの集落で 受け継がれています。活動の場は島内にとどまらず国内、海外へ 広がりを見せます。担い手不足という「難問」を乗り越え、若い世代に継承し、いかに地域を盛り上げていくのか―。そのヒントを探る ため、佐渡市両津地区の「春日鬼組」を訪ねました。

斎藤親子

春日鬼組会長

齋藤博文(さいとう・ひろふみ)さん (左)

米国の大学を卒業後、民間企業勤務を経て旧両津市役所に入庁、佐渡市職員として国際交流や訪日外国人誘致などに携わった。2023年3月末に市役所を早期退職、同年 4月から鬼太鼓面打ち修行を開始する。鬼太鼓の活動に専念する傍ら、外国人向けゲストハウスづくりを進めている。

春日鬼組メンバー

齋藤日葵(さいとう・はるき)さん (左)

父である博文さんの影響もあり、4歳から鬼太鼓を始める。現在は島を離れ、千葉県の大学に在学し、ホスピタリティ・ツーリズムを学ぶ。昨年のスイス・イタリア公演にも参加、3月には単独で米国アリゾナ州に赴き、現地で鬼太鼓を指導した。

厄はらう「力の象徴」 鬼太鼓の伝統 脈々と

 佐渡の鬼太鼓はいつから始まり、どのように広まっていったのか。そのルーツは意外にもはっきりしない。「金銀山の労働者がタガネ(のみ)を持って舞ったのが起源」という説もあるが、真偽のほどは不明。 江戸時代中期の文献には、鬼太鼓の呼称が使われているほか、同時期の絵巻にも、鬼太鼓が描かれており、その時代にはすでに普及していたことが分かる。

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 系統にしてもさまざまだ。「潟上」「一足」「豆まき」「前浜」「花笠」の五つの型があり、鬼の舞い方や笛、獅子の有無などスタイルが異なる。なぜ、限られた島の中でこれだけ違いがあるのか―。「潟上」の流れをくむ両津地区の「春日鬼組」会長の齋藤博文さん(52)は「鬼太鼓といっても相川、国中、前浜などそれぞれのエリアによってルーツが異なる。『見て聞いて覚える』芸能のため、同じ系統の団体でも、太鼓のリズムや舞が少しずつ変化していった」と解説する。

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春日組鬼太鼓
春日鬼組会長

 昔話などで鬼は悪者のイメージが強いが、博文さんによれば、佐渡の鬼は「力の象徴」。人知を超えたパワーを持つ鬼は、悪いものを追い払い、集落を守る「スーパーヒーロー」として島民に長年愛されてきた。

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春日鬼組 | 齋藤日葵さん

 神事である佐渡の鬼太鼓は一方で、住民同士の絆を紡ぐ場ともなっている。「4月の祭りへ向け、3月中旬から毎晩のように稽古する。一つの目標に向かって、メンバーが家族みたいになっていく」と博文さんは力を込める。また、「『太鼓の音を聞くと春が来た』と門付けを心待ちにしている人もいる」と打ち明ける。住民にとっても、鬼太鼓は生活に欠かせない風物詩となっている。

 ただ、少子高齢化に伴い、地域によっては担い手不足が深刻だ。春日鬼組は、「集落の成人男性に限る」といった「しきたり」の枠を超え、いち早く女性や子ども、外国人に門戸を開いた。現在は保育園児から80代まで3世代が参加し、共に汗を流す。

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国三窯

渡辺 民和子(わたなべ  みわこ)さん

京都の短大で陶芸を学び、25歳で島へUターン。父を手伝う傍ら、夫の宏和さん(55)とともに陶工房「弥七郎」(現876pottery)を開き、無名異焼以外の作品も手掛ける。2020年にはオンラインショップ「876(やしちろう)」も開設した。

 博文さんの次男で、幼い頃から鬼太鼓に親しんできた大学2年の日葵(はるき)さん(20)は、「父親だけでなく、地域の人が先生になって、教えてくれた。あまり面識のない近所の人も、鬼太鼓を通じてつながりができた」と振り返る。  外国人の受け入れは、新たなつながりを育み、活動の輪はさらに拡大している。2025年9月のスイス・イタリア公演は、佐渡で鬼太鼓を経験した外国人が縁となり実現した。

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春日鬼組 | 太鼓

「現地の人はみな熱心で真剣に見てくれた。やりきった感があり、よい経験となった」と確かな手応えを感じた日葵さん。親から子へ、そして島から海をわたり世界へ羽ばたく鬼太鼓。佐渡の郷土芸能は、これからも脈々と受け継がれていく。

佐渡 | 鬼太鼓

国三窯

渡辺 民和子(わたなべ  みわこ)さん

京都の短大で陶芸を学び、25歳で島へUターン。父を手伝う傍ら、夫の宏和さん(55)とともに陶工房「弥七郎」(現876pottery)を開き、無名異焼以外の作品も手掛ける。2020年にはオンラインショップ「876(やしちろう)」も開設した。

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佐渡 | 鬼太鼓体験

【伝統芸能・鬼太鼓体験】神の化身鬼になって伝統芸能 鬼太鼓を体験してみよう♪

#伝統芸能 #鬼太鼓

#五穀豊穣 #家内安全

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